寒桜

今年は大好きな妹が一人暮らしを始めた年。祖父が亡くなった年。今まで当たり前にそこにいた人がいなくなるのって、不思議で、言葉にできないくらい寂しいね。(妹は離れた土地で元気にしているけど)


共働きの両親のもとに生まれた私たち姉妹が寂しい思いをせずに、いつも満ち足りていたのは、おじいちゃんおばあちゃんにたくさん愛されていたから。人が本当に死ぬのは、誰かに忘れられたときだとよく言うよね。じゃあ私は、あなたのことをずっとずっと覚えているよ、忘れないよ、


自宅からしばらく車を走らせると、冬に咲く桜のある山がある。物心がつく前、祖父母によく連れていってもらった場所らしい。そこには本当に桜が咲いていて、思わず下の方の蕾がたくさんついた枝を折って持ち帰ってしまったのが先週の土曜日。今週、祖父の仏壇に飾っておいた蕾だらけの枝にはいつの間にか桜の花が咲いていて、おじいちゃん、桜が見られてよかったね、って。